東京都が実施している保育サービス
東京都は現在保育に関する政策に力を入れており、保育士をめぐる環境も急速に改善傾向にあります。
この背景になっているのはここ数年で社会的に問題になった待機児童の問題で、全国平均が約2倍率であるのに対し、東京都に限定すると待機児童倍率は5倍近くにもなります。
つまりはこれから保育園を利用したいと思っている保護者5人の内1人しか入れないということなので、事態は相当に深刻であると言えます。
そのため東京都では保育サービスを拡充しており、区市町村や保育関連事業者の整備費の負担軽減や都有地の減額貸与などがされており、保育施設を急ピッチで作っています。
施設が増えたことにより、そこで勤務をする保育士の数も増えており、現在都内で数多くの求人が出されています。
これまで非常に条件が悪いとされてきた保育業界の求人も、そうして数が増えることでじわじわと給与水準も高くなっており、昇給しやすい体系になっている事業所も多くあります。
東京都内の保育士の待遇、平均給与
東京都が行っている保育士の待遇改善のための政策として、保育士給与補助制度があります。
これは2017年度から保育士として勤務をしている人を対象として、月額平均4万4千円の給与補助をすることとなっているものです。
以前までの補助制度よりも2万1千円を上乗せする形なので、補助金の規模としては倍増することになるでしょう。
さらに職責や勤務年数に応じて賃金体系を決める人事制度も導入するように保育事業者に呼びかけており、今後更に保育士の待遇を改善するための政策が取られていくことが計画されています。
加えて東京都では保育士に家賃補助制度を拡充しており、地方で保育士資格を持つ人を都内に呼び込むための政策も行っているのです。
都内の保育所では社宅や社員寮への住宅手当が補助されるようになっており、それによって実質的な給与額が増えるようになっています。
東京都の保育士の平均年収は328.2万円となっており、これは保育士全体の平均給与で比較をした時には平均値以上ですが、同じ地域の他業種と比較した時の格差は全国ワースト2位となっています。
そこで給与額を底上げすることにより他業種との格差を埋め、勤務しやすい環境を整えています。
中でも待機児童数が深刻なのが都内の世田谷区や大田区ですが、そちらでの補助制度は区が独自に行っているものです。